共通番号の危険な使われ方                     ~マイナンバー制度の隠された本質を暴く~

2015年3月【会員著書〔新刊〕紹介】
共通番号の
白石孝・石村耕治・水永誠二 編
共通番号の危険な使われ方
マイナンバー制度の隠された本質を暴く
(現代人文社、2015年3月)
(単行本 140頁、 ISBN:978—4—87798—607—0   
 1,700円+税)

 国民総背番号制である共通番号制は、2016年1月から稼動する方向だ。共通番号は、すべての居住者につく「個人番号(マイナンバー/私の背番号)」と、すべての法人につく「法人番号」からなる。個人番号は、2015年10月に各世帯に送られている予定だ。
 本書は、各個人に同じ番号を一生涯にわたり官民に幅広く使う共通番号制度の仕組みを解析したうえで、とりわけ危ない番号利用事務や働く権利や生存権、市民の結社権の侵害につながる番号取扱事務など隠された多くの問題点を多角的に分析する。
 加えて、この危ない共通番号を悪用したなりすまし犯罪の防止やこうした犯罪ツール自体の廃止に向けた市民の力を集結させた運動の必要性を説いている。さらに、共通番号制構想を丹念に精査し、私たち市民が番号監視や番号悪用の犠牲者にならないための防衛策などを指南している。
 是非とも一読をすすめたい。
                      
《内容目次》
はじめに/スタートする危険な巨大個人情報ネットワーク・・・白石孝

第1部 そこが知りたい共通番号制度・・・白石孝
《Q1》共通番号(マイナンバー)制度の仕組みはどうなっているのでしょうか。
《Q2》住基ネットと共通番号制度の違いはどこにあるのでしょうか。
《Q3》番号で利用できる事務にはどんなものがあるのでしょうか。
《Q4》共通番号制度の運用までの流れを教えてください。
《Q5》個人番号カードが自治体から送られてきたら、どうしたらよいでしょうか。
《Q6》高額所得者や資産家に税金をたくさん払ってもらうために番号制度は必要ではないですか。
《Q7》民主党政権では、消費税の逆進性対策に番号制度は不可欠という理由でしたが、自公政権は消費税に軽減税率導入で合意しています。それなら番号制度は利用されないのでしょうか。
《Q8》自分にはやましいことはないし、隠すような財産はないので、番号がついても構わないのではないでしょうか。
《Q9》すでに番号やカードはいっぱいあるし、自分も利用しているから、いいんじゃないですか。
《Q10》これほど大規模なシステムを作るのは、膨大な無駄遣いになるのではないでしょうか。

第2部 共通番号制度はいらない

『第1章 』政府が目論む共通番号制度「利用拡大」への布石/官民共通番号化・番号カードの普及阻止のために・・・白石孝
『第2章』プライバシー権を侵害する憲法違反の共通番号制度/データマッチングによるプライバシー丸裸化の危険性・・・水永誠二
『第3章』共通番号制度の「裏」の顔=監視体制の日常化を暴く・・・宮崎俊郎
『第4章』地方自治体、住民は危険な共通番号制度にどう取組むか・・・原田富弘
『第5章』共通番号「カード」が医療等分野に与える影響とは・・・知念 哲
『第6章』共通番号制度導入で働く権利、生存権が保障されない社会がやってくる/税金の申告書や支払調書が番号管理の対象に・・・石村耕治
『第7章』法人への付番は市民団体の国家監視、結社権の侵害につながる・・・石村耕治
『第8章』一人でもできる共通番号やカード廃止に向けた運動/番号カードに変えずに、個人番号を頻繁に変えることのすすめ・・・石村耕治
*共通番号(マイナンバー)制度関連年表