第150回 名古屋税制研究例会のご案内

                                    事 務 局 寺 澤  典 洋

事務局  TEL 052-623-3360

FAX 052-622-2747

 平成26年9月で150例会を重ねることになります。そこで、下記のとおり特別記念講演を含めた例会を開催いたします。万障お繰り合わせのうえ,是非ご出席下さいますようにお願いいたします。なお、お手数ですが出欠席について事務局まで事前にTEL、FAX又はメールにて必ず御連絡下さい。9月5日(金)までに御返事がない場合は食事の用意を致しかねますので御留意下さい。

◎  日   時    平成26年 9月12日(金) PM6:00~

◎  場   所    アパホテル名古屋錦

名古屋市中区錦3-15-30   tel 052-953-5111 http://www.apahotel.com/hotel/toukai/01_nagoyanishiki/access.html

《第150例回特別記念講演》

「消費税の今後:複数税率化と仕入税額控除~逆進対策をめぐる主な論点の検証」

白鷗大学教授  石 村 耕 治 代表

★  ご注意:今回の9月例会の会場は、アパホテル名古屋錦 となりますので、お間違いのないよう、よろしくお願い申し上げます。

 

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JTI 消費税特別公開講演会の開催

国民税制研究所(JTI Japan Tax Institute)は、特別講演会を開催します。ご多用と存じますが、是非とも参加をお願いします。

 

            

消費税の複数税率化と仕入税額控除

 ~封印された「ゼロ税率」、逆進対策に「軽減税率」はまやかし

石村耕治(白鴎大学法学部教授)

(司会 辻村祥造 [税理士(東京地方会)])            

 

日時: 2014年8月27日(水)午後6時~8時  場所: 東京税理士会豊島支部会議室 JR池袋駅[西口]徒歩7分東京都豊島区西池袋3丁目30番3号 西池本田ビル3F地図 http://www.toshima.gr.jp/access.html

資料代: 1,000円

申込: 国民税制研究所事務局 info@jti-web.net

 *Eメールで参加お申し込みください。メールには、「消費税特別講演参加」とし、氏名、職業、住所、電話、メールアドレスを記載ください。参加申込のあった方にはレジメ/資料を優先的に配付させていただきます。当日飛び込み参加も可能です。この場合、レジメ/資料を入手でない可能性もありますので、あらかじめご了解ください。

 

《講演骨子》

来年10月の消費税の2ケタ化を目前にして、逆進対策が重要な政策課題として浮上してきました。6月5日から、自民、公明両党の与党税制協議会が、消費税税率の引上げを前提にした逆進対策と、それに伴う仕入控除のあり方の各界からのヒアリングを始めました。8月末までヒアリングを続け、その後、安倍首相が今年12月ころに最終判断をするとアナウンスしています。

逆進対策は、「軽減税率」だけではありません。「ゼロ税率」もあります。にもかかわらず、「ゼロ税率」導入は完全に封印されたかたちでヒアリングが展開されています。この結果、与党や財政当局が引いたレールの上で翼賛的な議論に終始しています。

「非課税」では、仕入税額控除ができません。ところが「ゼロ税率」では、売上に0%で課税されます。つまり、課税取引です。このことから、仕入税額控除ができます。現在、わが国では、輸出免税のかたちで輸出取引だけにゼロ税率が適用されています。どうして基礎的な飲食料品取引にゼロ税率を適用して国内の生活者を護ろうとしないのか、大きな疑問符がつきます。

他の先進諸国の例を見てみれば、確かにヨーロッパ大陸諸国では、軽減税率を採用するところも少なくありません。しかし、イギリス、カナダ、オーストラリアなどコモンウエルス諸国(イギリス連邦〔旧〕加盟国)では、軽減税率よりも、ゼロ税率を幅広く採用しています。とりわけ、オーストラリアやカナダのように、原則、基礎的な飲食料品をすべてゼロ税率取引にし、軽減税率を設けていない国もあります。基礎的な飲食料品に軽減税率を適用する選択肢は、決して“世界の常識”とはいえません。

一方、仮に逆進対策をすすめるねらいからタックスインボイス(税額票交付)方式に転換する案も出されています。しかし、こうした転換は、帳簿(請求書等保存)方式に慣れ親しんできた納税義務者である事業者のタックスコンプライアンス(納税協力事務)面での大きな混乱は避けられないかも知れません。

また、タックスインボイス(税額票)に過度に依存するかたちで仕入税額控除を認めると、タックスインボイス(税額票)の一人歩きが始まります。家事費/家事関連費支出の事業仕入への混入、タックスインボイスの偽造、脱税、違法還付が大きな問題となるおそれが強いわけです。したがって、タックスインボイス(税額票交付)方式に転換したとしても、これまで以上に課税庁によるクロスチェック、税務調査が要るわけです。クロスチェック、その効率化のためには、裏付けのための証拠資料の存在は不可欠です。したがって、タックスインボイス(税額票交付)方式に転換したとしても、事業者には消費税にかかる記帳、帳簿書類等の保存は、強化されることがあったとしても、軽減につながることはありません。

つまり、仕入の事実を証する書類の保存がないと前段階控除/仕入税額控除ができないという意味では、タックスインボイス(税額票交付)方式も、帳簿(請求書等保存)方式も、差ほど違いがないといえます。

タックスインボイス(税額票交付)方式に転換したとしても、簡易課税制度は存続させる必要があるでしょう。となると、帳簿(請求書等保存)方式は依然として残ることになります。これは、イギリスなどの例を見れば容易に理解できます。

再度問います。わが国が当初から、複数税率化にはなじみにくい帳簿(請求書等保存)方式を導入したという事実を重く受けとめる必要があります。新たなタックスインボイス(税額票交付)方式への転換は、事業者に煩雑な事務と大きな混乱をもたらすからです。したがって、税率の2ケタ化をやめるというかたちでも逆進対策が最良の選択かも知れません。

 あるいは、オーストラリアなどのように、タックスインボイス(税額票交付)方式を採用しながらも、事業者の納税事務負担を考え、複数税率(軽減税率)は一切設けず、逆進対策は専ら「ゼロ税率」に徹する簡素な仕組みも一案です。

この案は、確かに国家の税収減を大きくするかも知れません。しかし、輸出取引の多い最高益をあげたとされるトヨタをはじめとした大企業へ毎年8,000億円~1兆円にも及ぶ輸出免税/ゼロ税率の適用による消費税の還付をしている事実を重く受け止めるべきです。逆進対策としての「ゼロ税率」適用にはまったく後ろ向き、徹底して封印に走る与党/財政当局の税財政政策は解せません。逆進対策としての幅広い「ゼロ税率」の導入は、消費税の担税者である生活者の生存権の確保、さらには複数税率の導入による事業者の煩雑な納税事務という“隠れた負担”の軽減がはかれるということを織り込んで考えれば、ペイするはずです。 

日税連のように、軽減税率導入もタックスインボイス(税額票)方式への転換にも消極的な姿勢をとるのはどうなのでしょうか。ただ、こうした主張をするのであれば、基礎的な生活必需品へのゼロ税率の導入、あるいははっきりと税率引上げ反対を打ち出すべきです。水道水や主食などの生活必需品に対する逆進対策なしでの消費税の2ケタ化は、世界に類がありません。

日本医師会(日医)は、医療(社会保険診療)が「非課税」では仕入控除がでないため“損税”が発生すると苦言を呈してきました。その対策として、日医は、医療に「ゼロ税率」適用を主張してきました。ところが、与党が「ゼロ税率」に封印し、逆進対策を軽減税率に傾斜して議論するようになってくると、これまでの「ゼロ税率」から「軽減税率」にその主張をかえました。しかし、日医が、現行の「非課税」に代えて「軽減税率(財政当局は一律8%をねらっている?)」の適用を求める主張をするのはまったく解せないわけです。お客様、消費者である患者を犠牲に、自分らが仕入税額控除できるようにする、つまり医療業界益優先の日医の主張は、即刻撤回させないといけません。窓口での負担が8%も増える患者である国民は、たまったものではありません。いずれにしろ、消費税(VAT/GST)を導入するどこの国においても、医療には、「非課税」か「ゼロ税率」を適用しています。医療に軽減税率適用は、世界に類がありません。

こうした業界団体の主張がそのまま現実のものになるとすれば、まさに「世界の笑点」と化すはずです。

消費税の2ケタ化を前提に、与党税制協議会が、各界から意見聴取するのは手続としては大事かも知れません。しかし、生活者をわきにおくあるいは生活者を置き去りにし、それぞれの業界がエゴにも近い主張だけが闊歩する協議とはいかがなものなのでしょうか。「生活者が主役」の視点に立ち返った議論が要ります。

今回のレクチャーでは、「消費税の複数税率化と仕入税額控除」のタイトルのもと、まず「複数税率化とは何か」、そしてタックスインボイス(税額票交付)方式への転換を是非を含む「仕入税額控除のあり方」についてお話します。次いで、諸外国の消費税制(付加価値税/VAT、物品サービス税/GST)を参照しながら、逆進対策としての「ゼロ税率」と「軽減税率」の選択肢について、一緒に考えてみたいと思います。 

                   

 

《当日のレクチャー目次》

 ◆はじめに

 1 消費税の2ケタ化と逆進対策

(1)消費税/付加価値税の枠外での逆進対策とは~カナダの例を参考に

(2)消費税/付加価値税の枠内での逆進対策とは

①非課税措置の所在

② 非課税措置に伴う「損税」の発生も深刻

③「損税」対策としてのゼロ税率の採用

④ゼロ税率適用の実際

 2 イギリスにおける逆進対策の実情からわが国の方向性を考える

(1)イギリスの付加価値税(VAT)事業者登録の仕組み

(2)イギリスのVATの概要

(3)イギリスにおけるゼロ税率、軽減税率、非課税の適用の物品・サービス

(4)「ゼロ税率」適用物品・サービスと「標準税率」適用比較例

① 食料品(food)〔第1類(Group 1)〕

② 下水サービス、上水〔第2類〕

③ 書籍、雑誌、広報誌、新聞など〔第3類〕

④ 障害者用の録音本や無線装置など〔第4類〕

⑤ 居住用建物などの建築〔第5類〕

(5)イギリスにおける逆進対策に起因する税収減試算

(6)政府税調、財政当局に完全に封印された「ゼロ税率」の採用

(7)財政当局、与党税制協議会が敷いた「軽減税率」を走る業界

 3 複数税率化と前段階控除のあり方

(1)帳簿方式導入の経緯~事業者事務負担の軽減と税率引上げへの抑止効果

①外形標準課税も“付加価値税”の一種

②問われる外形標準課税の拡大

③外形標準課税を導入する国は多いのか

(2)「帳簿又は請求書等の保存」から「帳簿及び請求書等の保存」への転換の意味

(3)与党税制協議会での各界からのヒアリングの開始

①「ゼロ税率」を完全封印したヒアリングは茶番

日医の身勝手/変節で、消費税の患者肩代り負担は絶対ご免だ

(4)帳簿方式からタックスインボイス(税額票交付)方式への転換の是非

 4 タックスインボイスとは何か~イギリスのVATの例を中心に

(1)インボイスとタックスインボイスの違い

① わが国の「インボイス」とEUの「タックスインボイス」の同異

② 事業者登録番号に個人の共通番号は採用できない

(2)タックスインボイスと簡易課税制度

(3)タックスインボイスと免税事業者

(4)タックスインボイスなしでの仕入税額控除

(5)タックスインボイスとマージン課税(みなし税額控除/帳簿方式)制度

 ◆むすび~求められる「生活者が主役」の視点にたった議論

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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