第3号は、《共謀罪(テロ等準備罪)と税務専門職》について特集を組んでいます。
共謀罪(テロ等準備罪)は、今(2017)年6月15日に成立、7月11日に施行されました。テロ等準備罪は、組織犯罪処罰法に、「6条の2」〔テロリズム集団その他の組織的な犯罪集団による実行準備行為を伴う重大犯遂行の計画〕のタイトルで新たな規定を設けるかたちで導入されました。刑法典に盛られているわけではないことから、組織犯罪処罰法はあたかも〝国家緊急事態法〟のようだとの指摘があります。テロ等準備罪の施行により、2人以上の者が、4年以上の懲役・禁錮の罪で、法別表(メニュー)に並べられている犯罪(277)については、その犯罪に合意・準備した段階で処罰できることになりました。今後、当局(司法警察)は、テロ等準備罪を使えば、「犯罪の前の犯罪」を問えることとなります。
本号の「【対論】税理士も共謀罪を問われる」では、共謀罪(テロ等準備罪)がどのようなかたちで税務専門職に適用になるのか、法律にあまり強くない税理士にも分かり易く対話を展開しています。
「【論説】日米比較:共謀罪(テロ等準備罪)と税務専門職」では、アメリカの税務専門職・納税者への共謀罪適用事例の分析を中心に論及されています。わが国での税務専門職への共謀罪(テロ等準備罪)適用の今後を占ううえで、非常に示唆に富む内容です。
「【研究トート】質問応答記録書制度と税務調査の可視化」も、税務専門職には、有益な論考です。この制度は、課税庁が争訟になった場合の証拠資料集めを狙いとしています。
「【対論】リモートアクセスによる租税犯則調査とは」も税の実務に役立つ内容です。キャッチボール形式で、一連の電子データの査察調査権限強化策について、法律にうとい税理士にも分かり易く対話を展開しています。
「【税務ニューズ】国税庁、e-Taxでマイナンバー不要に舵を切る」も、血税浪費の公共事業である個人番号カードの問題点を鋭く指摘しており、有益な論考です。